朝マヅメの語らい
上の気まぐれで、急に何かのデータを要求されたのだろう、目は真剣だ。橋爪はしばらくのあいだ黙って様子を眺めていたが、坂巻が助言を求めてくることも、代わってほしいと泣きついてくることもなかった。
会議でさえも、坂巻がいれば事足りてしまう。誰からも必要とされておらず、それで構わないと思っていたはずなのに、心のどこかで割り切ることが出来ていない自分が滑稽に思えた。
プリンターからは、次々に資料が吐き出されてくる。すべて印刷し終えると、坂巻はそれを手早く仕分けしてクリアファイルに差し込んでいく。
橋爪は「おい」と坂巻に言葉を投げつけた。坂巻は手を止めて顔を上げた。
「そういえばお前、このくそ忙しいときに運営部の雑務引き受けただろ。『ありがとうございました』って感謝メールが届いてたぞ。勘弁してくれよ、うちの課は何でも屋じゃねえんだ」
「すみません」
坂巻は素直に頭を下げた。しかし橋爪は坂巻のこういったところが気に食わなかった。
会議でさえも、坂巻がいれば事足りてしまう。誰からも必要とされておらず、それで構わないと思っていたはずなのに、心のどこかで割り切ることが出来ていない自分が滑稽に思えた。
プリンターからは、次々に資料が吐き出されてくる。すべて印刷し終えると、坂巻はそれを手早く仕分けしてクリアファイルに差し込んでいく。
橋爪は「おい」と坂巻に言葉を投げつけた。坂巻は手を止めて顔を上げた。
「そういえばお前、このくそ忙しいときに運営部の雑務引き受けただろ。『ありがとうございました』って感謝メールが届いてたぞ。勘弁してくれよ、うちの課は何でも屋じゃねえんだ」
「すみません」
坂巻は素直に頭を下げた。しかし橋爪は坂巻のこういったところが気に食わなかった。