朝マヅメの語らい
神長に別れを告げると、橋爪はすっかり明るくなった海に視線を投げた。防波堤に打ち寄せては砕ける、規則的な波の音に耳を澄ませるうちに、心を覆っていた壁が少しずつ崩されていく。
ロッドを片手で押さえ、ポケットに手を突っ込んだ。二台入っているスマートフォンのうち、手触りとサイズ感で判別し、仕事用のスマートフォンを引っ張り出す。
(あいつの番号、こっちにしか入れてねえんだよな)
連絡先をスライドし、さ行で指を止める。
電話をして、何を話すというのだろうか。話したところで何が変わるというのだろうか。橋爪は舌打ちし『坂巻慎吾』の文字をタップした。
三コール待たずに反応があった。
「坂巻です」
声には緊張感があった。休日の電話といえば、緊急対応が必要な既存システムのトラブルだと思っているのだろう。だが、寝起きなのか今ひとつ頭が回っていないようで、少し調子がおかしい。
ロッドを片手で押さえ、ポケットに手を突っ込んだ。二台入っているスマートフォンのうち、手触りとサイズ感で判別し、仕事用のスマートフォンを引っ張り出す。
(あいつの番号、こっちにしか入れてねえんだよな)
連絡先をスライドし、さ行で指を止める。
電話をして、何を話すというのだろうか。話したところで何が変わるというのだろうか。橋爪は舌打ちし『坂巻慎吾』の文字をタップした。
三コール待たずに反応があった。
「坂巻です」
声には緊張感があった。休日の電話といえば、緊急対応が必要な既存システムのトラブルだと思っているのだろう。だが、寝起きなのか今ひとつ頭が回っていないようで、少し調子がおかしい。