朝マヅメの語らい
「わりいな、朝っぱらから。思いっきり寝てただろ」
「いえ。……はい、すみません」
そこにいないというのに、頭を下げている様が思い浮かんでしまい、橋爪は苦笑いした。
「別に仕事の用事じゃねえんだよ。会社のスマホからかけたけど」
「そうですか」
坂巻は黙った。仕事以外で電話をかけてくる用事に、どんな種類のものがあったか考えを巡らせているのだろう。
不用意なことは口にしない。坂巻がそういう男だということくらいは、橋爪もよくわかっている。
「まき。お前、今日ひまか?」
橋爪は口調を和らげて切り出した。
「あ、はい。大丈夫ですが」
スピーカーからたどたどしい返事が聞こえてくる。
「今アオリイカ釣ってんだけど。つうかまだ釣れてはいねえんだけど。……お前、来るか?」
「え? 釣りですか」
坂巻は明らかに困惑している。神長は先日、坂巻が釣りに興味がありそうだと言っていたが、あれは誇張だったのだろうか。橋爪の手のひらに汗が滲んだ。
「いえ。……はい、すみません」
そこにいないというのに、頭を下げている様が思い浮かんでしまい、橋爪は苦笑いした。
「別に仕事の用事じゃねえんだよ。会社のスマホからかけたけど」
「そうですか」
坂巻は黙った。仕事以外で電話をかけてくる用事に、どんな種類のものがあったか考えを巡らせているのだろう。
不用意なことは口にしない。坂巻がそういう男だということくらいは、橋爪もよくわかっている。
「まき。お前、今日ひまか?」
橋爪は口調を和らげて切り出した。
「あ、はい。大丈夫ですが」
スピーカーからたどたどしい返事が聞こえてくる。
「今アオリイカ釣ってんだけど。つうかまだ釣れてはいねえんだけど。……お前、来るか?」
「え? 釣りですか」
坂巻は明らかに困惑している。神長は先日、坂巻が釣りに興味がありそうだと言っていたが、あれは誇張だったのだろうか。橋爪の手のひらに汗が滲んだ。