朝マヅメの語らい
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 二十二時。残業時のコンビニは気分転換にちょうどいい。橋爪は発泡スチロールの箱を小脇に抱えて、店のいちばん奥へ向かった。

冷蔵庫から体脂肪対策に特化した緑茶を一本取り、そのまま和菓子コーナーに回る。いつもの大福を三つ取ってレジへ行く。今日も定番のルートだ。

 レジには今、二人の女性スタッフがいる。そのうちの一人、明るい茶の髪を高い位置でひとつに括っている方が橋爪のお気に入りだ。

まっすぐ切りそろえられた前髪のすぐ下に、一重まぶたの釣り目がある。面長で、顔のパーツがやや遠心的に配置されている大人顔。大場麻衣。彼女がここ五年、夜の癒しである。

「いらっしゃいませ」

 麻衣はレジカウンターに置かれた商品を手に取る前に、橋爪に微笑みかけてきた。愛嬌とは無縁に見える顔立ちだからこそ、笑顔とのギャップが良い。橋爪は咳払いして、発泡スチロールの箱を置いた。
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