王子様は甘いのがお好き
「私はあなたとおつきあいをしていたとは、これっぽっちも思っていません。

そもそも、あなたとはコンビを組んで営業先に行っていただけでしょうが。

1人で勝手な勘違いをしないでくれませんか?

気持ちが悪いにも程があります」

営業時代は言えなかった自分の気持ちを田原に向けて全てぶつけた。

「えっ…」

田原は目を大きく見開いた。

「どうやら、君は小山内さんだけじゃなくて僕の恋人にもずいぶんと迷惑をかけていたみたいだね」

そんな田原に、社長はやれやれと言うように息を吐いた。

「こ、恋人って…!?」

社長の口から衝撃的な事実を聞かされた田原は戸惑っていた。

「えっ、そうなんですか…?」

「まさか、おつきあいをされていたとは…」

重役たちも事実を聞かされてザワザワとしている。
< 114 / 120 >

この作品をシェア

pagetop