【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「気をつけて帰れよ」
「うん。お疲れ様です」
わたしの声に、軽く手を挙げて彼は通用口から社内に戻っていった。
その背中を見送りながらふと疑問に思う。
どうしてわたしを待っていたのだろうか。
どうして断ったのに、再度スケジュールの調整をしてまで飲みに行こうというのだろうか。
その場で考えてみたけれど、まったくわからない。
何か気に障ることでもしたかなぁ。
まぁいい。金曜日に聞いてみればいい。
とりあえずお兄ちゃんに、ちゃんと言っておかなきゃ。
忘れるといけないと思い、わたしは駅への道すがら兄へと金曜日は遅くなるというメッセージを送った。