【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「俺がこっちに戻ってきて、今ここにひよりと一緒にいることって、全部偶然だと思ってるのか?」

「え、違うの?」

もうずっと連絡もとっていなかった。

わたしと彼との歩いている道は完全に別れていたはずだ。

「偶然なんかじゃない。俺はずっとひよりに会いたいと思っていた」

ピタッと足が止まってしまう。

「あさひ証券との仕事は本当に偶然だった。けど、その偶然は運命だ。違うか?」

「そんなこと……」

あんな別れ方をしたのに、ずっと会いたかったなんて言葉信用できるはずない。

それにあの頃から状況は何も変わってない。

「何度でも言う。俺はお前を諦めない」

「……どうしてそういうこと言うの? あの頃と何が変わったっていうの? 

何も変わらない。あなたは皆川代議士の息子で、総理の娘との見合い話が出ている人。

そんな人との運命なんて、悲しい結果しか招かないじゃない」

一度目でも十分傷ついた。それなのに、もう一度なんて耐えられるわけない。

「俺なりに色々とやってきた。あの頃の弱い俺じゃない。親父も誰にもひよりのことに関しては口出しさせない」

「そんなの、口だけならなんとでも言える。あのときだって、わたしがどんな思いをしたと思ってるの?」

わたしの言葉に駿也の表情が一瞬にして曇った。
「あのときのことは……本当に申し訳なかった。知らなかったこととはいえひどいことをしたのは、謝る」

悪いのは駿也じゃない。けれどあの四年前のことを思い出すのは今でもつらかった。

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