【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
――皆川家?
どういう意味だろう。なんで駿也の家族が?
まだ一度も会ってもいないのに、どうして人を使ってまで引き離そうとするのかわからなかった。
そもそも駿也の性格から、家族に自分の彼女の話なんてするだろうか?
胸のざわざわは一向に収まってくれない。
けれどここでこの人の話を鵜呑みにするつもりはない。ちゃんと駿也と話し合わなくては。
「ご忠告ありがとうございます。でも、これはわたしと彼との問題ですから、きちんと彼と――」
「あははは! 皆川家の人間と付き合っておいて、個人の問題だと? とんだ世間知らずなお嬢さんですね。
もし自分から別れられないというなら、別れられるようにお手伝いしましょう。では」
「えっ?」
引き留めようと思ったけれど、男性は一礼をしてすでに踵を返して歩き出していた。
わたしの中に不安、恐れ、疑問……黒い物を散々植え付け、男は去って行ったのだった。
すぐにバッグからスマートフォンを取り出して、駿也に電話を掛ける。
呼び出し音が鳴る。しかし何度コールを繰り返しても、応答がない。