【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「こちらで、お履物をお脱ぎください。では、わたくしはこれで」

細かい説明をしないのもサービスのひとつなのだろう。

先ほども質問があればそのつど聞いて欲しいと言われた。ゆっくりとのんびりできそうだ。

石造りの一軒家の離れは、中に入ると大きな窓から景色が一望できた。

「わー! 本当にすごい。見て! ウッドデッキに温泉があるっ」

ガラス窓から外に出るとそこには、ラウンド型の温泉があった。

流れ出ているお湯を手ですくってみる。

駿也はそんなわたしに、デッキにあるソファに座って優しい眼差しを向けていた。

ちょっとはしゃぎすぎたかな……。

立ち上がって駿也の元に歩いて行き、隣に座った。

「ありがとう。こんなに素敵な旅行連れてきてくれて」

お礼を言ったわたしの方に手を伸ばし、髪の毛をゆっくりと梳きながら彼も笑顔を返してくれる。

「言っただろ、お前を思い切り甘やかしたいって。お前の笑顔が見たいんだ」

「大げさだよ。ここまでしてくれなくても、駿也が隣にいてくれればいいから」

恥ずかしくてなかなか言えない言葉も、素直に伝えた。

駿也の顔が近付いてくる。

それに応えるように目を閉じる瞬間、彼の肩越しに幻想的なオレンジ色の夕焼け空が見えた。
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