獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

8、もっとクールになれー鷹臣side

岩山を二十メートル程掘り進んだ横穴で、作業の責任者から発掘の進行具合の報告を健吾と一緒に聞いていると、二人側近を連れてファイサルが現れた。
カーキ色の綿のパンツに白い麻の長袖のシャツを着ている彼は、着けていたサングラスを外すと俺に向かってニッと笑った。
「よお、鷹臣!黄金のマスクでも出てきたか?」
彼の言葉に苦笑いする。
「急かさないでくれるかな。作業始めてまだあまり日が経ってないんだ。そんな短期間で見つかれば苦労しない」
「真面目に答えるなよ。冗談だろ?」
ファイサルが笑いながら俺の肩をポンポン叩いた。
「冗談に聞こえないんだけど」
俺が深い溜め息をつくと、ファイサルは面白そうに笑う。
彼は大学の時に、俺と同じ寮で同部屋だった。
ファイサルの父親はシャリージャ王国の現国王だが、母親がイギリス人で母親の血が濃いのか、髪は金髪で肌も白く、見た目は西欧人。
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