獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
この夕日をファラオが見ていたのかと思うと胸がおどる。
じっと夕日を見ていたら、鷹臣君が背後から抱き締めてきた。
少し前なら「くすぐったいよ」ってドキドキしながら彼に抗議したかもしれないけど、今はしっくりくるというか、安心する。
鷹臣君を振り返れば、彼は優しく頬を緩めた。
「この夕日、鈴音に見せてあげたかったんだ」
鷹臣君の影響で考古学を好きになって、彼のように考古学者になりたいって思った。
いつだって鷹臣君は私の先を歩いているけど……憧れの国に一緒にいて、同じ時を過ごしている。
ずっと前を行く彼を捕まえたかった。
でも、今は一緒だーーー。
「鷹臣君、連れてきてくれてありがとう」
彼の言葉が嬉しくて、とびきりの笑顔で微笑んだ。
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