獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
それで、鷹臣君の意味深発言のことを忘れてしまった。
それからまた各自作業開始。
日中は日差しの照り返しがキツイので、鷹臣君の命令でなるべくテントで過ごした。
発掘作業は今のところ順調のようだ。
なだらかな岩山を三日間掘り続け、いくつか壺や木片が発見された。この発見にみんなの士気も上がる。
「この壺に香油でも入れてたのかな?」
想像すると楽しい。
私は見つかった壺の破片についた砂を注意深く刷毛で落としていく作業に没頭した。
見つかった出土品は、発掘現場から一キロ離れたところに建てられた倉庫兼ラボに運ばれる。
夕方になると、掘り進めていた穴の中が急に騒がしくなってきた。
「ひょっとしてなにか凄いもの見つかった?」
洞穴の方に目をやると、鷹臣君が現れ「鈴音、ちょっとおいで」と私を呼ぶ。
< 152 / 268 >

この作品をシェア

pagetop