獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「嘘!私のために用意してくれたってこと?」
私の問いに、彼は少し面白くなさそうな顔で頷いた。
「そういうこと」
「ファイサルさんってとても優しい方なんだね」
王子のことを褒めたら、鷹臣君は冷めた目でコメントした。
「女にだけはね」
「先生、目が怖いですよ」
鷹臣君の横にいた健吾さんが小さく笑いながら突っ込む。
「物で落とそうとするあいつの魂胆が見え見えなんだよ」
鷹臣君は溜め息交じりの声で謎めいた言葉を呟く。
「あいつの魂胆って?」
キョトンとしながら彼に聞けば、「鈴音は知らなくていいよ」と頭をポンと軽く叩かれた。
また子供扱い。
じっとりと鷹臣君を見ていたら、晴人君に声をかけられた。
「鈴音ちゃん、トイレ新しいの来てよかったっすね〜」
彼の明るい笑顔につられてこっちも笑顔になる。
「うん。ホント助かる」
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