獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「キャッ!」と叫ぶだけで鷹臣君を止めることが出来なかった。
オールマンの時の比ではない。
鷹臣君は怒りで我を忘れているように見える。
ファイサルさんの部下達が一斉に鷹臣君に銃を向け、必死で叫んだ。
「止めて!」
鷹臣君が撃たれる!
慌てて鷹臣君に抱きついたら、ファイサルさんが厳しい表情で命じた。
その口元は少し切れて血が滲んでいるし、頬は腫れている。
「私の客人に手を出すな!」
一瞬、その場は静寂に包まれ、ファイサルさんの部下達は静かに銃を下ろした。
だが、鷹臣君は私を守るかのようにギュッと抱き締めていて……。
ファイサルさんは鷹臣君に殴られた頬を押さえ、ハハハッと声を上げて笑った。
「お前が羨ましいよ。何に変えても守りたい女性がいるなんてな」
「その女性にちょっかい出したのは誰かな?」
鷹臣君が冷ややかに返すと、ファイサルさんは彼をなだめた。
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