獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

5、未来の義弟の言葉にー鷹臣side

「先生、スマホ鳴ってますよ」
健吾の声で読んでいた論文からハッと顔を上げる。
鈴音と一緒にホテルに泊まってから早いもので一週間経った。
俺と鈴音の関係は表面上は変わらないが、彼女は俺を異性として意識するようになった。
俺とふたりきりになると緊張するらしく、たまに挙動不審になる。
見ていて面白いが、そろそろ次のステップに行きたいところ。
スキンシップを少しずつ増やして俺に慣れさせようとするが、明日はエジプトに発たなければならない。
しばらくそれもお預け。
彼女をじっくり口説くのは発掘調査が終わってからになりそうだ。
「ああ」
無造作に机に置いておいたスマホを手に取ると、画面にファイサルと表示されていた。
「久しぶりだな。そっちはどう?」
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