恋愛の仕方おしえます。

翌日---。


秘書の安斎が戻ってきた。

「すみませーん。ハワイに家族旅行へ行ってたもんで。あ、これ社長にお土産です!」

朝から調子よく俺に手土産を渡してきた安斎。


甘いものが苦手な俺にクッキーなんかを渡してきたが、まぁそんなのはどうでもいい。


「それはいいけど、なんで一度も電話出ねーんだよ。お前のせいでこっちは大変だったんだぞ。」


「だって社長が言ったんですよ〜?
LAにはついて来なくていいから少し有給を消化しろって!休暇中にまで社長の怖い顔思い出したくないですもーん。」


…こいつ……。

少し黒く日焼けした顔で語尾を伸ばしながら喋る安斎。

もう10年以上も気の知れてる仲だから良いが、
そうじゃなければ解雇していたかもしれない。


「そういえば、僕の居ない代わりに噂の藍川さんが秘書だったって聞いたけど、やっぱりあれですか?」

「…あれって何だよ?」


「社長、気になってた感じですか?」


「…は!?んなわけねーだろっ!
黙ってさっさと仕事しろ。」


やっぱりこいつ、解雇しようかな。
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