恋愛の仕方おしえます。
会社の玄関口に止められた
一台の大きなリムジン。
漆黒という言葉が似合う程
ピカピカに光るその車に
当然のように社長が乗り込んだので
私は呆気にとられてしまった。
「何してんだよ?お前も早く来い。」
顎でそう指図されて、
私もそそくさと乗り込んだ。
広い車内。
会社にリムジンがあるのは知っていたけど
実際に見るのは初めてで
もちろん乗った事もなかったから、
少し緊張する…。
「…で、なんでそんなに距離とって座ってんだよ。」
指摘されてから気がついた。
広いリムジンの車内で、
端と端どうしに座る私と社長。
だが、それがどうしたというのか。
「何か…、不都合がありますでしょうか?」
もしかしたら社長は
この距離に違和感を感じたのかもしれないが、
私からしたら、
ただの"男嫌い"が発動しただけにすぎない。
「…まぁいいか。
これから大手のお偉いさん達のところへ
帰国した挨拶回りに行く。
それまでお前はその書類内容を
頭に叩き込んでおけ。」