恋愛の仕方おしえます。
桐山社長から言われたとおり、
業務内容を確認してみる。
何から何まで事細かく書いてあるが、
要は社長の身の回りの雑用…
それが私の仕事らしい。
ふと視線を感じ、
顔を見上げると
桐山社長が私を見つめていた。
「…なんですか?」
「お前、それギャグか?」
「はい…?」
社長の質問が突然すぎて
意味もわからないけれど、
失礼な事を言われてるのだけは分かる。
私は少しムッとするのを抑えつつ、
作り笑顔で返事した。
「分厚い眼鏡とパンツのスーツって…。」
「ダサいですか?すみません。」
「いや、面白いって褒めてんだよ。
華のある女を連れて歩けば俺の印象が悪くなる。
でもお前くらい色気がゼロだと、逆に好感がもてるだろ。」
「…はぁ。」
褒められてるというか、
貶されているようにしか聞こえないのだが…。
とりあえず「それはどうも。」
と言っておく事にしよう。
「これから会う会社の社長は派手な女がきらいなんだ。前に一度、美人な女に痛い目に合わされたらしくてな。きっと藍川……なんだっけ?お前なら気にいるよ。」
それはつまり…
遠回しに私の事をブスだとでも
言いたいのだろうか?
全く悪気の無さそうな顔をして言うもんだから
怒るに怒れないけど、
社長じゃなかったら今頃
グーパン食らわしてるところだわ。
「私の名前は藍川、伊織です。」
「伊織か。そうだったな。」