レフティ

そのあと、年齢の話になったところで驚愕の事実がわかる。

「先生、年上だったんですね…!?」

ついつまんでいたポテトを皿に落とした。

私も美沙も、よくて同い年、おそらく年下だろうと踏んでいたのだ。
先生と鎧塚さんは、私たちの1つ上の、27歳だそうで。

「お前ら失礼だな!」

口の悪くなった先生に、不思議と嫌悪感は抱かなかった。

「悠太童顔だよね、俺ら兄弟に間違われたりするもん」

鎧塚さんは先生の肩を抱いて笑う。

「剣士なんて年齢不詳じゃね?」

「「…確かに…」」

「えー!?」

― わ、なんだろうこの感じ。
一言で言えば、すっごく楽しい。

先生たちといると、無理に話を合わせることもないし、笑顔を取り繕うこともなかった。

最近の街コン帰りには、作り笑いで法令線が浮かび上がるようなこともあったが、きっと今日は鏡に映った自分にそんな衝撃を受けることもないだろう。

容姿が良いうえで話し上手の聞き上手だなんて、やっぱりイケメンは経験値が桁違いである。


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