レフティ
「じゃあ女性陣の要望は温泉がある綺麗な宿ね。俺らはー…なんでもいっか?」
「そうだな。あ、ご飯。ご飯は付いてる方がいいよ」
「んーいいねいいね」
それぞれにスマホの画面を見つめながら、私たちはいくつか宿をピックアップした。
「美沙里香は土日休み?」
鎧塚さんにセットで呼ばれたが、美沙が嬉しそうなので黙っておいた。
「土日休みですけど、有給も取れるから大丈夫ですよ」
「んじゃ、ちょっと俺らもシフト確認しよっか。宿はここが良さそうだね」
泊まる宿だけは満場一致で決まり、あとは日程を決めるだけのところまで、あっという間に進展したこの話。
ずっと見放されていた私にも、ようやくツキが回ってきたようだ。
「たのしみ」
「ね」
即座に私の言葉に頷いてくれた先生に、堪えきれず笑みがこぼれた。