夢原夫婦のヒミツ
あぁ、私は大和さんに愛されているんだって実感できて、幸せな気持ちで満たされていった。

初めて彼と結ばれて、大和さんのぬくもりに直に触れて眠るこの日の夜を、私はきっと一生忘れられないと思う。


「身体、平気？」

「……はい」

大和さんに腕枕をしてもらい、甘いひと時を過ごしていた。時刻は深夜の一時を過ぎているのに、なかなか眠れそうにない。

彼は私の髪を撫でながら、時折キスを落とす。

これでやっと大和さんと、本当の意味で夫婦になれたんだと思うと嬉しくてたまらない。

すると大和さんが口を開いた。

「昔は想像できなかったな。……愛実と結婚する未来を」

「それを言ったら私もです。でも夢でもありました。……大和さんのお嫁さんになることが」

ずっと好きだった人だからこそ、いつか大和さんのお嫁さんになれたらと夢みていた。
< 233 / 244 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop