夢原夫婦のヒミツ
それにさっきのやり取り、いかにも夫婦が交わす会話だったよね?

こうやって何気ない日常にいまだにドキドキして、そして感動している。

あぁ、本当に大和さんと結婚することができて、私が奥さんで彼が旦那様なんだって。

食事を終えて私がキッチンで片づけをしている間、彼は出勤する準備に取り掛かる。

その日によって制服だったり、迷彩服だったりする大和さんは陸上自衛隊員だ。

主に防衛・警備および災害派遣業務を請け負っている部隊に所属している。

なにかあった時にすぐ出動できるよう、私と彼が暮らすアパートは基地から自転車で五分の場所にある。

住人の中には何組か、彼と同じ基地で働く自衛隊員家族が暮らしている。

食器を洗い終え、私も出勤の準備に取りかかる。エプロンを外して洗面所へ向かうと大和さんが歯磨きをしているところだった。

その姿をドアでジッと見つめてしまう。
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