失翼の天使―wing lost the angel―
「君が顔を見せたら彼女たちがヒートアップするってわからないのか!;;」



「何の話ですか?」



「救命に2人も美女が居るってなったら、彼女たちは必死になって先輩や賴真に迫るぞ!;;」



「はぁ?男漁りって事ですか?それなら――…」



「逆効果ですから!;;」



「俺に任せて下さい!;;」



「副島君に何が出来るの?」



私を取り込む3人は、頑なにマスクを外すのを止めさせる。

手を伸ばそうとすれば掴まれ、私にどうして欲しいのか全くわからない。



「とにかく!今は大人しく仮眠しに行ってくれ!;;」



「いや、私は夜勤です!仮眠なら賴真に……」



「賴真先生、胸板厚ーい!」



「そうか?;;」



「逞しい人、大好きっ!!」



「何デスカ?アレ」



「「「優海ちゃん(先生)!!;;」」」



「煩いっ!!」



「「「…………;;」」」



「助けろ、お前ら;;」



「知リマセンネ」



目の前の光景に、怒りを堪え、歯を食い縛るように話す私を見て、少しずつ距離を取り始めた3人。



「先生、目の下にクマが出来てるぅ」



「栄養のあるもの食べてますかぁ?」



「自分たちこそヒョロヒョロで食べてんのかよ……」



「「…………?」」



「何でもないぞ!;;」



…何でもあるでしょ!
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