パクチーの王様



 一体、この人は私と圭太のなにを見たというのだろう。

 特にやましいところもないのだが、いつもシリアスな逸人の語り口調に芽以は勝手にドキドキしてしまう。

「二年前」

 二年前っ!?

「テーマパークのカウントダウンに行っただろ」

 ああ、そういえば、みんなで行ったな、と思っていると、
「観覧車の前で花火を見てたとき、お前、圭太と手をつないでた」
と逸人は言ってくる。

「……よく見てますね、逸人さん」

 暗がりだったし、みんな、花火の方を見ていたから、誰も気づいていなかったんだと思っていた。

 二年前の大晦日。

 みんなでカウントダウンに行った。

 私は、なんの罰により、こんな寒い中で、花火を見上げているのだろうかな、と思っていたら、横に居た圭太がふいに手をつないできた。
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