パクチーの王様
「息抜きなら、もう帰れ。
 ――日向子が来るぞ」

 その一言に、圭太はチャカチャカ帰り支度を始めた。

 ……どんだけ、日向子さんが怖いんだ、と思っていると、圭太は、

「じゃあ、芽以。
 また来る」
と言って、手を握ってくる。

 その圭太のクビの辺りに、逸人が後ろから包丁を突き出してきた。

「また来るな」
と言って。

 いや……結構、首すれすれですよ、それ……。




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