mirage of story
〜3〜








ゴオォオォッ。
ドォンッ、ドオォンッ!

地が上げる轟音と世界が壊されていく音が合わさり響き合う。



戦いが始まって幾らか時間が経った。

シエラ達がこの戦場の何処かで真実を知らされた丁度その頃。
戦う兵達は敵との圧倒的な力の差をまじまじと見せ付けられ、攻撃飛び交う戦場に為す術無く立ち尽くしていた。




周りを取り巻くは濃厚な闇。
それもただの闇ではなくて、その中に取り込んだもの達を蝕み襲う死を誘う闇。

一寸先さえも、まともに見えやしない。
闇は濃くなるばかりで、いくら切り裂いても終わりはない。














「忌々しい闇だな」



ザンッ。
無駄とは分かっていつつも闇を剣で両断して、ロキは無表情に吐き捨てた。


案の定、切り裂かれた闇はすぐに周りの闇に取り込まれて再生する。

そんな闇を至って冷静に眺めて、ロキは構えていた剣先をスッと下へと下ろした。








「その上に質が悪い。
この闇は兵達の恐怖を増幅させ我々を敗北へと引きずり込もうとしているわけか。

...........早いうちに手を打たなければ一層に状況は不利な方向へと傾く。
それを避けねば、我々の勝利は消え失せる」



何か手はあるか。
無表情のままにそう呟くロキは、再び纏わりついてきた闇を軽く振り払った。


周りを囲む闇のあちらこちらからは、止まぬ攻勢の音と兵の叫び。

一度止めた足を再び前に運び始めたロキは、打開策を見付けるべく至極視界の悪い辺りを見渡す。






「........時間はない。

この闇を晴らし、形勢を逆転させる。
やはり根源を絶つしか方法はないか」



見渡せば、抉れた地面と血の跡と動かない屍。
所々で発火し、鼻を突く嫌な焦げ臭い匂いが充満する。

このままでは、数刻のうちに取り返しの付かないところまで事態は展開してしまう。
ロキは一人頭の中で状況を見極め、結論を出した。







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