mirage of story
〜12〜
「――――シエラ!シエラっ!」
シエラはその声に静かに目を開ける。
目の前には、闇の中で捜し求めた仲間の姿と燃えゆく自分の村があった。
現実が、シエラの中に流れ込む。
(私.....戻ってきたのね)
シエラは何となく安心し、ただ呆然と目の前に広がる現実の世界を見つめた。
「シエラ.....気が付いたか」
カイムは、シエラの顔を覗き込んだ。
そんな彼の顔は本当に心配そうで、シエラが初めて見た顔だ。
「......カイム?
大丈夫。大丈夫だよ、私は」
シエラはカイムを安心させようと、そうカイムに笑ってみせた。
だが、体に走る激しい痛みにすぐその顔は歪んでしまう。
「全然大丈夫じゃないだろう!?
こんなひどい怪我......大丈夫なわけがないっ!」
(.....怪我?)
一瞬、カイムの言っていることが分からなかったシエラは、自らの体に違和感を感じて恐る恐る見た。
「なにこれ....」
見つめる自らの体には、大きく切り付けられた傷。
そこからは血が流れ出し、服を赤く染めていた。
赤い。紅い。
揺れる炎とは、また違う色の見ているだけで背筋に冷や汗が流れるような嫌な色。
「私.....いつのまに」
「いつのまにって....覚えてないのか?」
シエには、こんな傷を作った覚えがなかった。
思い出せるのは.....この燃える村。そしてあとは。
記憶を探ると思い出される、今目覚める前の途切れた記憶。
「――――シエラ!シエラっ!」
シエラはその声に静かに目を開ける。
目の前には、闇の中で捜し求めた仲間の姿と燃えゆく自分の村があった。
現実が、シエラの中に流れ込む。
(私.....戻ってきたのね)
シエラは何となく安心し、ただ呆然と目の前に広がる現実の世界を見つめた。
「シエラ.....気が付いたか」
カイムは、シエラの顔を覗き込んだ。
そんな彼の顔は本当に心配そうで、シエラが初めて見た顔だ。
「......カイム?
大丈夫。大丈夫だよ、私は」
シエラはカイムを安心させようと、そうカイムに笑ってみせた。
だが、体に走る激しい痛みにすぐその顔は歪んでしまう。
「全然大丈夫じゃないだろう!?
こんなひどい怪我......大丈夫なわけがないっ!」
(.....怪我?)
一瞬、カイムの言っていることが分からなかったシエラは、自らの体に違和感を感じて恐る恐る見た。
「なにこれ....」
見つめる自らの体には、大きく切り付けられた傷。
そこからは血が流れ出し、服を赤く染めていた。
赤い。紅い。
揺れる炎とは、また違う色の見ているだけで背筋に冷や汗が流れるような嫌な色。
「私.....いつのまに」
「いつのまにって....覚えてないのか?」
シエには、こんな傷を作った覚えがなかった。
思い出せるのは.....この燃える村。そしてあとは。
記憶を探ると思い出される、今目覚める前の途切れた記憶。