mirage of story
カイムは、外側からの次の言葉を待った。
「..........ご苦労だった」
カイムの耳に、先程とは違った低く曇った声が届いた。
(........ッ!?)
カイムは、思わず自らの耳に聞こえていた声を疑った。
低く曇った声が、耳に伝わるノイズと絶妙なハーモニーを奏でる。
「────全員撤退だ。
早くこの場を離れねば......この街共々、塵と化すことになる」
低い曇った声の主が、笑いを零しながら言った。
その笑い声は、実に不気味で.....実に、楽しそうだ。
カイムは、異常なまでに速い胸の鼓動を無理矢理に抑え
硝子の砕け散った窓から、漆黒の闇が支配する外を......恐る恐る覗く。
(..........あいつ....何で)
見えるのは闇。
.....だがその中に、決して此処に在ってはいけないものを見た。