mirage of story
ダッダッダッダッ!
「起きろ!皆、起きてくれっ!
早く.....早く街の外へ!」
静まり返る夜の静寂な闇の中、カイムは廃墟中に響き渡るような声で叫ぶ。
「ッ!一体何事です?」
叫び走るカイムにいち早く起きてきたあの老人が駆け寄る。
「敵です!魔族だっ!
奴等の襲撃です!奴等がこの街を消そうとしてる!
早く、一刻も早く此処を離れなければ危険です!全員この街の外へ!今すぐに.....」
ッ。
「!?魔族ですと!?
奴等が、奴等攻めてきたというのかね?!旅の御方!?」
ザワッ。
騒ぎに気付いた街の人達がカイムの周りに集まってくる。
「また奴らの襲撃か!?」
「奴等は何処に居る!?」
皆、身構え騒ぎ出す。
その大人たちの騒ぎ始めた声に寝ていた幼子は目を覚まし泣く。
その泣き声が更に他の人たちを起こし騒めき出す。
「......皆、静まりなさい!」
皆が騒ぎ動揺し始める中で一人冷静なのはあの老人だった。
ッ。
老人は騒めく辺りを一瞥して皆を静める。
怒鳴るわけでもない。
静かな言葉だったがその効果は絶大でその老人の一声で街の人達は一瞬で静かになる。
この街でこの老人は立場が上の存在で皆の信頼があることをはっきりと意味していた。