mirage of story
〜12〜 
 
 
 
 
 
 
 
ゴゴゴ.....ゴゴオォッ─────。




激しい揺れと凄まじい轟音と共に、すぐ隣にあった壁に亀裂が入った。







「─────どうしよう.....」




そんな危機的状況を前に、シエラは呟く。




凄まじい揺れ、今にも崩れそうな廃墟。

ただでさえボロボロのこの建物が、今壊れそうになっていた。




普通、この状況でその廃墟の中に居たならば逃げるだろう。

迷うことなんか、ないはず。自分の命を守るため、何がなんでもこの危機から脱出する。







────だがシエラはこんな状況に居ながらも、逃げないでいた。


逃げられない理由があった。






「........ネビアさん....」




シエラの視線の先。

そこには崩れた壁と
その下敷きとなって、ぐったりと横たわるネビアの姿があった。




息は、まだある。

だが微かにも動かず、瞳も固く閉じたまま。





そんな状況を前に、シエラは何度も彼女の名前を呼んだ。





「ネビアさん.....ネビアさんッ!」





やはり、反応はない。




─────ッ....。


そう思ったシエラだったが、微かにシエラの声に
指がピクッと動いたのをシエラの瞳は、しっかり捉えた。





 
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