mirage of story
「ネビアさん.....ッ!?」
「.................あぁ......シエラちゃん」
ネビアの瞳がゆっくりと開かれる。
その開かれた瞳の中に宿る光は、弱々しいものだった。
「大丈夫ですか!?ネビアさんッ!」
暫らく黙り込んで、それから気が付いたようにネビアは口を開く。
「私は......大丈夫よ、シエラちゃん。
.......あら、他の皆は────?」
そしてネビアは、動かすことの出来る頭を少しだけ起こして周りを見る。
人の気配は、シエラと自分の二人だけしかないということに
ネビアは気が付いた。
「.........他の人たちは多分、皆逃げました。さっき大きな地震があったから。
─────残ってるのは、私達だけだと思います」
シエラも、もう一度確認するようにぐるりと見回して改めて
この場に居る存在を確かめた。
「─────そう.....。
シエラちゃん、一体外では何が起こってるのかしら?
私が気が付いた時には、皆騒いで逃げるばかりで......何があったのかは分からなかったけれど」
そこまで言うと、一瞬瞳を曇らせて言葉を止めた。
「それに、普通じゃないわ.....この感じ」
「そうですね、やっぱ....おかしいですよね。
────私にも何があったかは分からないけど。
寝ていたら、いきなり地面が揺れて.......そしたら理由聞く間もなく、逃げてと言われたから」
「それで、逃げてる途中にネビアさんを見つけたんです」