mirage of story
 




 
 
――――。 
頭の中に蘇る記憶から沸き上がる感情を押し殺してそう言い、薄く笑ってみせた。


.....。
それからハッと気が付いたように、シエラは付け足す。










「あ、勘違いしないで下さいね?

別に貴方のこと責めたいという訳では無いんです。
今こうして話が出来る、ということは貴方が他の魔族とは本当に違うんだっていう証拠―――きっとジェイドさんは、良い人なんですね」




「いいや、気にしないさ。
まぁだが俺は、良い人でも何でも無いんだけどねぇ.......」



そう自分を気遣い付け加えられた言葉に、困ったように笑いながら答える。






「でも少なくとも私の知っている卑劣な奴等とは違います」



「........何だか嬢ちゃんの中でそのイメージを持つ者は随分限定されているようだが―――。
それはさっき言ってた嬢ちゃんの母親を殺したっていう、その魔族のことかい?」



「........はい」




彼は推測を口にする。
その推測は実に明確であって、彼女はそれに素直に頷いた。


言いにくいことだ。
だが彼はそれを敢えて遠回しな言い方をせずに言った。

その方が残酷でないと思った。







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