mirage of story
「組織?」
「我等が組織はこの世界に介入し正すために結社した。人間と魔族などという下らぬ概念を越えた先の第三の勢力。
それ以上詳しいことは、部外者である君には言い兼ねる。
........君には早急にこの方達と共に私とついてきて頂くか、此処で別れて頂くかの決断のみをしてもらいたい」
ジェイドが問い返すと、その問いを予測していたかのように直ぐさま答えが返ってきた。
彼はジェイドの問いに対する答えに、相手に有無言わせぬような答えのみを求める問いを重ねる。
彼の淡々とした口調が、何とも言えないような威圧感を醸す。
「.........部外者ってのは、どうも聞き捨てならないねぇ?
言っておくが、俺はこの嬢ちゃん達の"仲間"だぜ?
そんな邪険に扱っていいのかよ。あんた等にとって嬢ちゃん達は大切な存在なんだろう?」
淡々と放たれる言葉に不快感に似たものを覚えて、ジェイドは軽い笑みを崩さぬまま問いには答えず言う。
傍から見ては、さして何も感じないが二人の間に流れる空気は険悪だ。
その様子を見るカイムとシエラの二人は、声を出そうにも出せずにただ傍観するしか出来ない。
「私がお連れするよう命を受けているのは彼等だけであって、君は含まれてはいない。
我々が必要としているのは彼等であって、偶然にも彼等と共に居た君は部外者以外の何者でもない。
だが彼等が君の同行を求めるのなら、仕方がない。
こちらとしては本望ではないが、彼等と共にお連れする」