mirage of story
「水竜――――」
"...............さぁ、お主が全てを知るべき時が来た。
お主の中に封じ込められてきた記憶を、真実を。
今こそ、解き放つ時ぞ"
閉ざされていた、私の記憶。
解きほぐされる記憶の糸。
その時は至極唐突に訪れて、今私はそれを受け入れようとしている。
何の前触れもなくて、私に心の準備をさせてはくれない。
記憶が解かれる。
そのことで見えるのは、何?
この湧き上がる気持ちの正体。
求めていた、本当の自分。
ずっと知りたかった、私の知らない私。
常に頭の何処かに存在し続けてきた疑問。
母さんを殺され、ロアルやライルと出会い指輪のことを知り、そして仇を討つために旅へと出たあの日から濃くなり続けてきた疑問。
......私は、何者か。
それが判るのだろうか。
「私は........私は知りたい。
私が、誰であるのかを」
私は言った。
そして見据えた、水竜の蒼く煌めきこちらを見つめる瞳を。
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