社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
センターテーブルに企画書を並べ、ペットボトルのお茶を置く。これから来る相手方の担当者はふたりで、応対するのは社長と私だ。
一ヶ月以上にわたる内藤さんの事務研修を受け、ひと通りの流れとパソコン操作を覚えた私は、今度は見習いという形で社長のアシスタントに就いていた。早い話が秘書だ。といっても新庄さんみたいになれるとは思っていないし、社長も期待していないに違いない。
とりあえず社長のそばで雑用をしながら、この会社がどういうふうに回っているのかを覚えるための研修、といったところだろうか。
「前原! なにぼうっとしてんだ! モニターの準備!」
「はい!」
社長のアシスタントになって三日目にして、私は実感する。
無表情で淡々としていて一見とっつきにくかった内藤さんは、実はものすごく優しい人だったのだと。