社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「小柳涼香と申します。ごめんなさい、今名刺切らしてて」
私の名刺を受け取ってそう言った彼女は全身から甘い匂いを発していた。松葉さんより若そうだけど、同じ企画室の人間らしい。
はっきりした顔立ちにたっぷりの茶色いロングヘア。私と同じくらいの背の高さがあるけれど、足元は十センチ以上ありそうな尖ったヒール靴だ。
「新しいアシスタントってことは、新庄さんはどうされたんですか?」
真っ赤に潤った唇を開いて彼女が尋ねると、社長は微かに目を細めた。
「新庄は退職しまして、今はフランスの方に」
「え、新庄さんお辞めになったんですか⁉」