社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
エレベーターの前まで来ると、小柳さんはなにやらカバンから紙片を取り出して社長に差し出した。
「夜の七時からアフターパーティーもあるので、是非いらしてください。大手ブランド『NATCH(ナッチ)』の担当から、スティリスを紹介してほしいって頼まれてるんです。だから是非」
招待チケットを半ば強引に押し付けられ、社長は「ありがとうございます」と微笑んだ。
社長の恐ろしさを知らない人からしたら、破壊力抜群のイケメンスマイルだ。
『社長は自分の容姿の威力をわかってるんだから、無駄に社外で発揮しないでほしいわけよ』
金髪女子板倉さんのいつかの言葉を思い出しながら、頬を染めて歓喜している小柳さんをエレベータードアの向こうに見送った。
下降していく昇降機と数字を減らしていく階数表示を見ながら思う。
小柳さんは、絶対に社長のことを狙っている。