社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
でも社長の方はあのときのことをまったく覚えていないらしいから、私も普段は胸の奥に押し込めて考えないようにしているのだ。
だけどこんなふうに距離が近づくと、あっというまに胸の扉は開いてしまう。
「しゃ、社長、シャワーに……」
「ん」と短く返事をしながら、彼は私を見下ろす。真横から注がれる視線を意識しないように、私は掴んだトマトを凝視した。
なんで、そんな。
私の代わりに真っ赤になったみたいな野菜を握りつぶしそうになりながら、バクバク跳ねる心臓を落ち着けようと試みる。だけど私の体は、言うことをちっとも聞いてくれない。
目つきが全然ちがう。