社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
アルコールの匂いを全身からまき散らしていた彼が、ふいに背中に手を回してきた。
「ひゃっ」
真正面から抱き合う格好で、名取さんは甘えた声を出す。
「やばい、俺、帰れないかも……。前原ちゃん、家まで送って?」
「え……それは困りましたね。少しここで休んで……」
無碍に突き放すわけにもいかず、ゆっくり体を離そうとしたけれど、名取さんは酔っているくせに力いっぱい私に抱き着いていて引きはがせない。
「前原ちゃん、鈍すぎだよ」
アルコールの匂いに包まれながら、背中にしっかりとした男性の手を感じた。
名取さんは私とそんなに背丈が変わらないけど、ちゃんと男の人の体なんだな、なんて思っていたら、ますます強く抱きしめられた。身動きが取れなくて、さすがに声を出す。