社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「気を引く……?」

「名取をたぶらかして楽しいか? それとも、あいつと本気で付き合うつもりなのか?」

「へ……? な、なにを言ってるんですか」

 近づく視線に耐えきれなくなって目を逸らすと、顎を掴まれ振り向かされた。

「じゃあ、俺とは?」

「……え」

 真剣な目にまっすぐ見下ろされていた。胸の鼓動が激しくなって、うまく呼吸ができなくなっていく。

「ど、どういう意味ですか」

「俺と付き合う気はあるのかって訊いてる」

「えっ……え、え、えええ」

 身動きができないまま言葉にならない声を上げると、片手でむぎゅっと頬を掴まれた。

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