社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「どうなんだよ、おい」

 こ……この状況はいったい何⁉

 不機嫌そうに歪んでも、なお美しさを損なわない社長の顔を見返しながら、私は心の中で叫ぶ。

 どう答えるのが正解なの⁉

 ていうか、付き合うって⁉ 社長と私が⁉ 全然釣り合わないのに⁉

 頭の中が大量の『⁉』で埋め尽くされていく。

「いや、だって、あの」

 ソファに押さえつけられ顔を掴まれ、逃げることも目を逸らすこともできない。

 ていうか本当にこの状況は何?

 甘いようなやりとりだけど、怒られているような気もする。

「わかった。質問を変える」

 さっきよりもいくらか落ち着いた声で言うと、社長は小さく息をついた。それから端正な顔を傾けて目をすがめる。

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