社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「俺のことをどう思ってる? 好きか嫌いかで答えろ」
「えっ……ええええええ」
二択ですか?
そこ二択なんですか?
「いや、えっと」
冷たいような熱いような、気持ちを推し量る前に目力で焼き尽くされそうな視線をどうにか受け止める。
無言のまま私を見下ろしている、恐ろしく美しい俺様王国の絶対君主。
二択じゃなくたって、私の答えは最初から決まっている。
初めて会った瞬間から、私の胸はときめきを覚えていたのだから。
「す……好き、です」
気持ちを口にする瞬間、なぜか涙がこぼれそうになって目を伏せた。すると、「はあ」と小さなため息が耳に入る。