社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「あ、あの、社長……」

 首筋から鎖骨にかけてキスをしながら、社長が目を上げる。切れ長の目に上目遣いに見つめられて、心臓が弾けた。

 ダメ、かっこよすぎる……。

 くらくらとめまいを感じているあいだに社長の手がブラウス越しに胸に触れ、ぎくりと体がこわばる。

「ま……」

 首筋にキスをされながら、私はどうにか彼の肩を押し返そうと試みるけれど全然力が入らなかった。やわやわと動く指の感触に、焦りが募っていく。

 どうしよう、どうしよう。

 このまま、先に進むの?

 甘ったるいピンク色の空気に包まれながら、頭の中では赤いランプが点灯する。

 ダメだって。まだいろいろ、準備ができてない。

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