社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
そんな私の気持ちはお構いなしに社長は伸ばした私の腕を取って手の甲に唇をつけ、指にまでキスをしようとする。
「や、待ってくださ」
私の手のひらを唇でなぞる社長は、妖艶だった。
アルコールも入っているせいか、目元がうっすら赤く染まり、真っ黒な瞳は潤んでいる。
色気を漂わせる絶対君主に、心臓がきゅうきゅう締まる。
胸に触れていた手がそろりと動いた。ゆっくりと私の体を下がり、ブラウスの裾から入ってこようとする。
「しゃ、社長!」
たまらず叫ぶと、彼はきょとんと私を見下ろした。思わずひれ伏しそうになる美しさから逃れるようにうつむいて、私はどうにか口を開く。
「こ、これ以上は、その……」
声が震えた。