社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 目の前が真っ白になった。

 結婚……?

 でも、だって、新庄さんは私に明るい顔で言っていた。

『優志くんから手を出された?』

 自分の結婚相手の話にしては、まるで他人事みたいなセリフじゃない。あのときの様子を思い返しながら、さらに彼女の言葉を思い出す。

『この体。私が男だったら今すぐ襲いかかるわ』

 まさか……ね。

 手の震えをごまかすようにぎゅっと握りしめると、板倉さんのうっとりした顔が目に入った。

「それにしても社長のスーツ姿、かっこよかったなあ」

 彼女の気持ちのこもった声が、胸に突き刺さった。

 社長が普段は絶対に着ることのないスーツを、新庄さんのために着た。それは事実だ。

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