社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 もしそうなら、私は……。

 耳にこだまするのは、森さんの声だ。

『新鮮な気もするけど、結局は一時しのぎだね。やっぱり元のヤツのほうがいいよ』

 私は地味だし美しさの欠片もないけれど、身長と胸だけなら新庄さんにも劣らない。

「代替品……?」

 ぽつりと落とした言葉に板倉さんが「え?」と顔を上げて、あわてて首を振った。

「なんでもないです。すみません、私帰りますね。おつかれさまでした」

「え⁉ あ、おつかれ」

 驚いた顔をしながらも手を振ってくれる板倉さんに会釈をして、私はそそくさとフロアを横切った。玄関のドアを抜けて外の通路を歩きながら、改めて自分の考えに驚く。

 そうか。私は、『代わり』だったのだ。

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