社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 グラスを傾けて息をついた瞬間、がちゃんと玄関のドアが開く音がした。

 えっと思っている間に、どたどたと人が上がり込んでくる気配がする。

 応接ルーム兼リビングに現れたのは長身の美男美女だ。カウンターキッチンで固まっている私に気づき、社長が鋭い声を放つ。

「おい、あの玄関の荷物はなんだ?」

「結愛ちゃーん、お昼食べた? 一緒に食べない?」

 社長を押しのけるようにしてデパ地下の袋を掲げたのは新庄さんだ。

「ええと……?」

「おい、あのダンボール」

「ここのお惣菜、最高においしいのよ。あ、結愛ちゃんはこのあいだも一緒に食べたわよね。ほら優志くん、手を洗ってきましょう」

「おいコラ、引っ張るな」

< 337 / 383 >

この作品をシェア

pagetop