社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「実は……ここを出ていこうかと」

「……部屋が見つかったのか?」

「それは……まだですけど。ひとまず実家に」

「なんでだよ」

 即座に聞き返され、言葉を失う。

 なんでと言われても……。

 隣で黙々と料理を口に運んでいた新庄さんが、空気に耐えかねたように息をついた。

「ええと、私……外の空気を吸ってこようかしら」

 そりゃあ居づらいよね、と心の中で同意する。というか、新庄さんという彼女を前にして、社長は何をしたいのだろう。変に誤解されるようなことをして、大丈夫なのかな。

 バルコニーに出る彼女の背中を一瞥して、社長は私に視線を戻した。

「ここを出たいのか?」

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