いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「まずピンと来たのがお菓子です」

「お菓子?」

「慎さんって普段お菓子とか食べないらしいんですが、最近大量のお菓子を買い込んでいた」


それって私が貰ったお菓子たちのことだろうか。

あれはかなりの量あった。


「誰かにあげるためなのは一目瞭然ですよね?そしてそれは楢本さんの手に渡っていた」


まるで種明かしをするかのようにゆっくりと紐解いてゆく。

なんだか妙に緊張してきた。


「次に注目するべきは楢本さんと2人でお店に来たところ」

「でも職場の人とご飯を食べに行くのは誰だってあるシチュエーションじゃないですか?」

「甘い!甘いですよ!」


人差し指を立ててビシッと私の前に突き出す。


「それだけなら私も疑いません。でも楢本さんは慎さんを名前呼びしていた。そしてそれを慎さんは許していた。そこがポイントなんです」


エアーパイプタバコを吹かしながらすっかり名探偵な仁科さん。

しまいには虫眼鏡とか出してきそうな勢いだ。
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