いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「あの、楢本さん」

「はい?」


汐理さんのお兄さんを想像していると、ふと仁科さんの声のトーンが下がった。


「今更ですし、こういうのを聞くのも失礼なんですが」


すごく聞きにくそうに視線を彷徨わせる。


「年齢って、その、いくつ……なんですか?」

「あ、そう、です……ね」


そういえば仁科さんって年上?年下?その辺、把握していなかった。

見た感じあまり変わらないだろうとは思っていたけど、失礼があっては事だ。


「……27になります」


恐る恐る年齢を言う。

チラリと仁科さんを見ても表情が読み取れない。
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